HARAIZUMI ART PROJECT HARAIZUMI ART PROJECT

書籍の作り方/ 原泉アートデイズ!の5th アニバーサリーブックができるまで②【静岡・掛川】

書籍制作を通した、人々との出会い

 

 

デザイナーとの出会い

 

 作ろう!と決めてから割とすぐに、

フリーランスで広告デザインをされている是空デザインの青木三枝さんと再会する機会に恵まれました。

 

自分自身がグラフィックデザイナーなので、

一番はじめに力を入れたい!と思ったのがデザインでした。

 

是空デザインロゴ

 

素晴らしいデザイナーの方はたくさんいらっしゃるのですが・・・

 

HAPらしさ、という点では、単なるクライアントワークとしての関わりではなく、

取り組みに心から賛同してくれて、一緒にワクワクして挑戦し、

単発ではなく次のプランも考えられるような方が理想でした。

 

青木さんは、毎年の当展覧会に来場していて、

HAPの取り組みのこともよくご存じでした。

 

たまたま再会したのを機に、ピンときて打診をしたら、

なんと、快く引き受けてくださいました。

 

当展覧会への理解があり、原泉までそれほど遠くない場所にお住まいで、

何より、緻密な情報をまとめる才能が素晴らしい方なんて、

 

これ以上のデザイナーはいないと思いました。

 

おかげで、シンプルな構成を関係者で編集して、

青木さんにデザインを依頼して制作を先行スタートさせることができたのです。

 

青木さんがいなければ、まだ制作中だったかもしれない!?

 

と思えるほど、リード力が素晴らしく、

 

その結果は本書を手に取っていただければよくわかると思います。

 

完成品を見て、彼女と一緒に取り組めたことを、関係者の誰もが喜びました。

 

是空デザイン 青木三枝さん

原泉アートデイズ!2022内で開催した「オノマトペアート鑑賞ツアー」の案内人でもある青木三枝さん

 

装丁は水戸部春菜!

 

 

全体のデザインも大事ですが、書籍である限り、装丁も大事!

 

たくさんの平面を扱う素晴らしいアーティストがHAPには関わっていますが、

デザインの知識も持ち合わせているアーティストが、水戸部春菜でした。

 

 

HARAIZUMI AIR 2020参加時の水戸部春菜(photo by Yumiko Matsuura)

 

水戸部春菜は、2018〜2020年にHARAIZUMI AIR・原泉アートデイズ!に参加し、

それ以降、毎年展覧会にも足を運んでくれており、

互いに末長いお付き合いをするつもりで関わり合っているアーティストです。

 

今回の装丁は、抽象の書き下ろしで作りたいと思っていましたし、

それでも何か原泉を連想できるビジュアルで作りたいと考えていました。

 

知識や技術という意味でも、彼女の作風や原泉との関わり方を鑑みても、

ピッタリだと思いました。

 

計画もしていない頃から書籍制作のビジョンを彼女にはしていたため、

本当にすぐに快くOKをもらうことができました。

 

 

そして、アートブックとして作っているので、

ターゲットとかどう見せたいとか忘れて、

 

「水戸部春菜をぶつけて欲しい!」

 

という要望にもそのまま応えてくれ、

格好の良さでずば抜けたものを制作してくれました!

 

 

水戸部春菜書き下ろしのカバーイラスト

水戸部春菜が書き下ろしたカバーデザイン

 

 

出版社との出会い

 

 

制作自体はできたとしても、世の書籍の販売ルートに載せたい!と思った時に、

 

・・・どうしたらいいのか全くわかりませんでした。

 

何人もの方に、フィットする出版社がないか声をかけ続けたことを覚えています。

 

そんな時に参加アーティストの一人に紹介してもらい、

出会ったのが出版社のナナルイです。

 

 

 

アーティストのために、図録やアート本を出版するお手伝いをしたい!

という熱い思いで創業され、

 次々とアーティストとコラボレーションした本を出版しています。

 

 

私たちの拙い知識をカバーし、

売れる・売れないに関わらず相談に応じ、

出版から販売までを形にするサポートをしてくださいました。

 

 

おかげで、Amazon楽天ブックスなどのECサイトや、

大型書店から個人経営の素敵なセレクト本屋まで、

 

多くの書店さんに取り扱ってもらうことができました!

 

 

販路に乗せるという意味だけでも、出版社と共に制作するメリットがありましたし、

一つの成果にもつながったという感触がありました。

 

この出会いによって、

更に、導かれるようにいくつもの素敵な書店さんに出会うことができました。

 

何より、制作者へのリスペクトと愛を持って書籍を扱ってくださったので、

本当に作ってよかったなと思えたのです。

 

ナナルイ主催の『八木喜平歌集タテイトヨコイト ー明平さんとアララギと』原画展(静岡県浜松市)

 出版を通して再会が実現。コミュニティの再生へ。

 

6年目以降のHAPの活動をどのように展開していくか、

出版を機に悩むこともありました。

 

そんな時に、完成をお祝いする制作チームの小さな打ち上げの場で

ナナルイの鈴木正子さんがかけてくれた言葉が忘れられません。

 

「大丈夫。本が勝手に働いてくれるよ。」

 

 

今回の書籍の出版は、5年分の記録に残す、という大きな目的はありましたが、

 

それ以上に大きな財産として、

書籍を通してたくさんの人や場と出会えました。

 

関連トークイベントを静岡県内外5ヶ所で実施し、

それぞれの主催者とより深い関係を築き、たくさんの参加者の皆様と出会いました。

 

これまで県内に全く情報がリーチされていなかったことにも気付かされましたが、

かわりに、ようやくつながれた方々もいました。

 

こうしたつながりは全て、本が働いてくれて生まれたものです。

 

本によって信頼度が高まり、一人一人説明せずとも本が説明してくれました

 

また31組の過去参加アーティストたちとも再接続しました。

内容を確認してもらい、全員に献本しました。

 

初年度参加した海外アーティストは、

 

「原泉で今なおアートが続いていて嬉しい。また必ずや参加しにいきたい!」

 

と言ってくれました。

 

こうしたつながりが、また次回のモチベーションとなります。

 

本書内の全アーティストの制作中の写真(photo by Yumiko Matsuura)

 

 

書籍制作自体が一つのプロジェクト。

 

未経験の私がつながりもほとんどないところから書籍を制作する時にあったのは、

 

出版したい!という熱い思いと、

 

5年分のアーティストたちの熱い作品たち。

 

そして、

 

執筆者の伊藤賢一朗さん(資生堂アートハウス)、福住廉さん(美術評論家)の文章。

 

アーツカウンシルしずおかさんから受けた支援。

 

そして、みんなで撮りためてきた写真の数々。

 

これだけですが、今思えば、こんなにあった!と気がつくほどに、

 

書籍出版を通してさまざまなつながりを生み、

 

プロセス全てが成果と言える、一つのプロジェクトだったと体感しました。

 

 

さて、次なる書籍は、何をテーマにしようか?

 

すでにいくつもアイディアがあるので、

2作目以降は、作るのが楽しみでなりません。

 

乞うご期待ください!

 

「HARAIZUMI ART DAYS! 5th Anniversary book」購入はこちら

 

本書の目次ページ

 

 

関連記事はこちら↓

書籍の作り方/ 原泉アートデイズ!の5th アニバーサリーブックができるまで①【静岡・掛川】

 

関連情報

【公式オンラインショップ】HARAIZUMI ART PROJECT

HARAIZUMI ART PROJECT HARAIZUMI ART PROJECT

HARAIZUMI ART PROJECTは、静岡県掛川市北部の原泉地区でアーティスト・イン・レジデンスを開き、アーティスト支援と現代アートを通した交流事業と文化振興を行っています。自然豊かな地域社会の中でアート活動の新しい形を模索し提案。また、オリジナルグッズやアート作品等を取り扱い、売上を積極的な活動に活用しています。

屋号 HARAIZUMI ART PROJECT
住所 〒436-0036 
静岡県掛川市萩間702
営業時間 10:00-17:00
定休日 不定休
代表者名 羽鳥 祐子
E-mail info@shop.haraizumiart.com

コメントは受け付けていません。

特集